雑談 2024/09/28(IT業界に腰掛けで入っても人生いいことはないよ)
悲観的なタイトルですけど、もう現実がそうなっているので、素直に書いていこうかなと思っています。
日本のIT業界は、もう老人施設みたいなものになりつつあります。不思議な話かもしれませんが、今から40年前、1984年ごろというと、まだコンピュータが汎用機ではなく、特注機として運用される時代でした。いつだかロストテクノロジーの話をしましたけど、この時代に開発された独自運用の機器は、リプレースされることもなければ、延命する方法もなく、滅びます。これはバブル期にかけても同じく、産業用のFC-98やMS-DOSなどをベースとして作られたシステムをリプレースすることが出来ない産業が多くなってしまい、イニシャルコストは回収出来たが、人件費などのランニングコストより、機器そのものが壊れて終わってしまうという末路をたどっています。日本の伝統工芸品の作り手を育成したくても、育成出来るような文化がなく、弟子入りさせて、衣食住のお金をどうにか負担出来るようなレベルまで生活水準を落とさないと、人を育てていけなくなっている世の中であり、国はそれをもてはやすが、伝統を次世代に残すことには協力しない。極端な例を言ってしまえば、輪島塗りが能登地震で死滅する可能性だってある。日本の雇用形態、一子相伝とも言える後継者の育成、文化人が声だけ上げて資金は他人任せ、こんな状態で、伝統工芸が残るわけがない。今、そういう仕事をなさっている方も、国とズブズブのJAみたいな集合体がないわけで、本当にその日暮らし。芸術家でしょ?とも言われるでしょうけど、産業として残ってきた経緯を考えると、そこまで昇華することはない。だから、日本の伝統工芸品は、100年後にはほぼ作り手がいなくなっていると思うのです。
で、どうしてこういうことを長々と書いているかというと、IT業界に19歳からいて、今年で24年ですけど、僕はよほど運良く生きてこられているということに、色々気づいたからです。正直なところ、好きじゃないと、この業界ではやっていくのは難しい。職業:プログラマーってカッコいいかもしれませんけど、現実にもうプログラマーはお金を稼げる職業ではない。PMぐらいまで行き着くと、確かに良いお金はもらえるけど、新卒で仕事がないから、IT業界に入るぐらいなら、まだ飲食や介護のほうが未来がある。
1億の仕事は、300万の下請けが作る業界
IT業界は、大手同士が直接取り引きすることが多いですが、予算に収めるためには、下請けを使うほうが、安く上がるという通説があります。ここ1年で色々体験してわかったことですけど、IT業界において、クライアント先に派遣されるスタッフは、下手すると10以上の会社が間に入っている。そして、派遣先で、時給換算にして1万以上の仕事を要求される。そういう世界です。IT業界が万年人手不足なのは、そもそもIT業界でそれなりに実績のある人間が独立をして、下請け同士のネットワークにより、人を探しているからであって、本人達は不労所得に近い状態、ピンハネだけで月に生活出来るぐらいの儲けを持っている。月に2人紹介できれば、ピンハネで生活出来る程度には、ITコーディネーターはお金がもらえていると感じます。1億の仕事を、十数もの法人格が間に挟まって、200万ぐらいの予算で完成させるということも、極端ではありますが、今は十分にありえる話です。プログラムを組めないけど、人を動かすだけのIT業者が、日本では成立している。それがすべてコネだったり、天下りだったりするわけです。いかにも閉鎖的で、村八分な世界に戻っているんです。そして、大企業は年功序列を崩せずに来ている。すでに上層部はプロジェクトの概要がわかっていても、詳細は理解できない。でも、そういう人間が高給取りになってしまっている。会社のためと減給を迫っても、大半は理解を示さない。彼ら10人で、下手すれば50人の若いIT技術者が育てられる環境であっても、そういうことを考えない。技術は常に進んでいるのに、人間は循環しない。
しかし、人手不足に歯止めが掛からないからこそ、安く扱える若年層に目をつけ、最低賃金でプログラミングやWebコーダーのノウハウを教える。そしてそのままの給料で派遣させる。しかし、派遣元には、その1.5倍程度の派遣料を取る。そして使えないという理由で派遣止めとなり、若くして転職を余儀なくされる。こういう循環で、気づくとあっという間に30ぐらいになり、もう戦力にはならない。このサイクルが拡大していて、結果として、手に職だと思っていた若い人は、自分が井の中の蛙であることにようやく気づく。
そんなIT業界でスキル以上に重視されるのが、勤務年数です。どれだけひどい目に合わされようが、勤務出来ている人間に対して、IT業界は優しいです。でも仕事を与えてくれるだけ。昇給やボーナスなどは望めず、おそらく今の20代のIT技術者でも、オラクルマスターやAWS認定試験ぐらいの資格がない限りは、高給取りはいないんじゃないかなと思っています。期間の定まった資格を取るにもお金はいる。それ以上に知識を詰め込む必要がある。人間、お金のためとはいえ、自分の嫌なことを我慢できるようには出来ていない。当然、資格を取ったところで、その知識は一瞬で消え去ってしまう。オラクルマスターやAWSみたいに、仕事にもつながるし、常に進化していく技術の資格なら、実務も兼ねて、お金を投資出来る。あとは、探究心だけに依存することになります。
インフラエンジニアだったとしても、パソコン好きは、IT業界に少ないんです。プログラマーならなおさらで、強制される知識は、知識として得られないだけでなく、それそのものを嫌いになってしまう。正直、PowerShellってPCのスキルだとは思っていませんでしたけど、今の20代にとって、コマンドラインを叩けるというのは、一つのスキルのようです。そりゃ、プログラム言語なんて、嫌いになるよ。
プログラマーは25歳でフリーランスになれないと、生活ができなくなる
僕は、19歳に家電量販店でアルバイトを始め、23歳にWebショップの運営、27歳からはITなんでも屋さんみたいな生き方をしています。当然、ITと全く関係ない分野もやっていますし、ある意味、人材募集からPM、ソフト/ハード問わずのカスタマーサポートやフィールドサポートなんかもやっています。ある日はExcelのデータを加工してCSVにして、ノーコードアプリに読み込ませることもしていれば、ある日は昨日書いたように数十台のPCのアップデートの様子をみたり、違う日には壊れたハードウェアを、別の部品取りハードから移植したり、そして違う日にはルーターのポートマッピング設定をしてたり。特に大したことは出来ないんですが、そのたびに不自由を感じることは多いです。幸い、僕はPentiumとWindows95から、iPhone16まで、ハードとソフトの進化を実感しながら、いらない知識をどんどん付けてしまったから、今みたいに、出来ないと思ったことは断るし、出来るならやってみるけど、相談しましょうねぐらいのスタンスで、社内/社外を問わず仕事出来ているんです。これを運が良かったと言わずして、何になるのでしょうか?
前にも書きましたけど、僕は元プログラマーであって、主流のプログラムが書けない人間なんです。HTMLやPHPを書けても、動作するまで凄まじい時間を浪費することになるんです。経験と言ったらおかしいですけど、それが出来ないのにもかかわらず、強制的にやらされて、結果として出来なかった。でも、僕の先輩プログラマーがそれを2日で組めてしまった。その時点で、僕はプログラマーではなくなったと思っています。ロジックを組み立てるのは好きだけど、組み立てる上でコードが必要ならば、そのコードを色々デバッグしながら組み込んでいくスタイルになったのは、その影響が大きいです。仕様から逸脱しない範囲でなら、小規模やカスタムアプリなどはそれで問題なくシステムとして動作する。その程度で満足なんです。だから、元プログラマーなんです。プログラマーの技術を流用した、単なる組み立て屋なのです。でも、それでも、お客様が満足するなら、僕は喜んで悩む。そんなもんなんです。
で、なんで25歳までにフリーランスになれないと、プログラマーとしてやっていけないか?というのは、先程説明した通り、大企業の一員でない限り、大したお金にならないからです。そして、25歳までに、ある程度コネを作っておく必要があります。現在のフリーランスのマッチングサイトなどを見ると、正直なところ新卒と大差ない金額の割に、納期がタイトであるものが多いです。つまり、継続的にプログラマーとして仕事を得る場合、大企業で現場に残るか、フリーランスで仕事の実績を積むか、どちらかになります。フリーランスとなれば、時間に縛られることなく、納期さえ守れば、大体は問題ありません。日本でも、もともとはそういう文化もあったんですけど、歳を取って、一線でプログラマーをやっている人というのは、よほどプログラミングが好きでない限り出来ないと思います。もしくは、その時代スペシャリスト。例えば、2024年の現代で、FC-98で運用している町工場の制御システムにバグが発生してしまった、なんて時に、PC-98ノートを持って、ソースをイチから書いていくような人です。MMX Pentiumの300MHzに32MBのメモリ、HDDも4GBしかないのに、そこにロストテクノロジーとも言える開発言語を突っ込んで、町工場の問題を解決していく。こんな人が日本にはまだまだ必要ですけど、現実にそんな人間は本当に少ないんですよね。おそらく、そういう人は、若くても50代でしょうね。
大半の大卒で、就職先としてIT業界に入った人間では、絶対的な経験値が足りないですが、それを3年のうちに身につける。RubyでもUnityでも、Webコードでもなんでもいいから、それだけをひたすら書き続ける。失敗するのは当たり前で、デバッグがそのうちに面白くなってくる。で、3年後に入っていた会社から評価をされなければ、フリーランスになって、担当していた顧客を引っ張る。今はそういうことも出来るような土壌があるし、もしかしたら、顧客側からのスカウトもありうる。お金儲けのためにプログラマーを目指すのであれば、そのぐらいの思いがないと、30代になって本当に困ります。もっとも、今は会社に所属してても、暮らしは苦しくなる一方ですけどね。
のらりくらりとノウハウを得る30代も悪くない
僕は、この30代の前半は、ある特殊な分野のシステムに関わっていて、なんなら本業の人よりその分野の話に詳しくなったりしました。そうしないと、その分野の人たちと対等な会話が出来なかったんです。IT業界にいるのに、その分野の人だと思われていたこともありました。それを元に、コーディングしながら、同時にデバッグを行う。この辺のノウハウが、「聞かれたらなんでもいいから返す」という基本原理になっているのだと思います。
技術面で言えば、Excel VBAやACCESSでの簡易アプリや、String型の限界、UTF-8の重要性なんかも、30代になってから身につけたことです。まあ、前述の通りなので、出来はそこそこなんですけどね。
求人、働く人の管理が出来たのもこの頃。軽いうつ病から立ち直りつつあった時代に、いい経験をした思っています。この時、同僚に恵まれなくて、人の管理に対して責任が持てない人間もいることを知ったことも良かったです。まあ、僕も含めてB型というのは、自分勝手が多すぎて、ほぼ大半が日本の社会には不適合だと思います。その中で居場所を作れるなら、いいと思いますけどね。
ただ、この頃から急激に好きなこと以外からの興味が薄れていき、仕事のモチベーションを維持することが難しくなりました。限界を作るのは言い訳に過ぎないと言う人がいますけど、本当に限界だと思うことは、いくらでもある。僕は、器の小さい人間ですから、そもそもの限界値が低かったのだと思ってますし、当然ながら、努力すれば克服出来たのかもしれないけど、その領域に行けなかった後悔はあります。
結局、ハードウェア系、インフラ周りは、小規模事務所ぐらいの規模でしか経験も出来なかったし、なんなら自宅のほうがよほど小規模事務所並だった時代もあり、結論として、適当に幅広くIT周りをやることが、僕には一番合っているとわかった。それが今、43歳。
努力出来ることも天才、ひらめきを持つのも天才、いつ、それに気がつくか?
急にサッカーの話で申し訳ないのですが、クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシが、2010年代のサッカー界の2大巨頭でしたが、ロナウドはそのストイックさと努力でトップにのし上がってきた天才選手、メッシは幼少期から華麗なプレイで天才っぷりを発揮し、今なお魅了出来る選手。両極端ではありますが、両方とも天才だと思っています。
これは親御さんにも言いたいことなんですけど、子供というのは、知らず知らずのうちに、自分の立場が分かるようになります。残念ながら、日本の社会では、それが当たり前になっています。この世に生を受けて、10年もしないうちに自分の立場が分かるような人間にさせたら、その子が持っている才能、おそらく大半の人がそれを知らずに死ぬのですが、その芽すら刈り取ることになります。遊び半分でプログラムを組み、神童と称えられ、そのまま学生のうちに起業、これでも、失敗してまだ20代ぐらいなんです。人生を80年とした時、1/4を無駄にしたって、3/4残ってるんだから、いくらでも挽回出来ます。でも、それが出来るのが20代なんです。
20代の生き方をとやかく言うことはありませんが、少なくともIT業界には、天才はいりません。必要なのは、スペシャリストだけです。スペシャリストになるためには、努力もさることながら、知識量や経験値も必要となります。ちゃんと寝て、起きて、会社に行って、適当に仕事をしていれば、3年もやってるだけで、それ相応のものは身につきます。ただ、あなたはフリーランスでやる実力はありません。CUIが使えることが武器だと思うのなら、CUIをすらすら言えるぐらいに覚えてください。どうやったらCSSを書き換えて、どのページにもテーマを反映させられるか、参考書なしに書けるようになってください。出来ないなら、無理にIT業界にしがみつく必要はありません。
天才を必要としないのは、突出した技能を、日本の社会が受け入れる土壌がないからです。だから、本当に自分が天才だと思う少年少女は、海外でお金を稼げるような人になってください。ことIT業界では、必ず、日本より認められます。それからでも日本に戻ってきて遅くはないです。が、そのまま海外へ永住することをおすすめします。日本では評価されるまで、あと100年以上掛かると思います。
フリーランスになれない人は、残念ですけど、本当は他業種への転職をオススメします。この他業種という場所でも、プログラミング出来ずとも、ロジカルな考え方や、洞察力などが活かせる仕事はいっぱいあります。そっちのほうが、自分も幸せです。
それともう一点、そういう人がもしIT業界に残るとしたら、自分が出来ることは、当然として他人も出来ると思って仕事をしたほうがいいです。そのほうが、分からないことは素直に聞けるし、得られる知識や経験を上乗せすることが楽だからです。20代って、経験が少ないし、職歴だって大したものでもない。勤務年数だけが取り柄なのが、IT業界を生き残る秘訣である以上、希望額はもらえなくても、仕事を続けるという選択肢も十分ありです。ただし、どこかでフリーランスとして仕事がしたいと思ったら、若いうちじゃないと、高度な要求をされる事となり、信用も落とすことになります。25歳と言ったのは、まだ先があることを考えて、依頼主も契約してくれるからで、これが30になると、当然のように完成度を求められてしまう。たった5年で得られる経験値でも、大企業のプロジェクトの一員でもない限りは、多分フリーランスの人間のほうが上です。30代でそこそこのプログラマーは、今は通用しません。30代になったら、もう実績がない限りは転職すらままならない。IT業界の構造もいけないのですが、22歳から30歳まで同じ賃金、転職しても同じ賃金という生活は、今後の日本のIT業界では当たり前になります。下手すると、マンションの清掃バイトのほうが、Webページの制作より、1ヶ月あたりの単価では高くなる可能性すらあります。インフラ系は仕事がなくならないですけど、令和の3K職場になっているので、これも好きじゃない限りはやめたほうがいいと思います。覚えることはシンプルですが、CADやPPを用いて、配線図を書くことが、お仕事の半分、そして実際にその配線を行うのも自分たちという企業もまだまだ多いです。こちらは下請け構造が少しはシンプルなので、業績次第では賃金アップもありえますけど、代わりに嫌と言うほど、顧客のニーズに対して、新製品のカタログスペックより、最適な製品選びを要求されます。金額が金額なだけに、新卒でインフラ畑に入っていないと、もしくは自分の趣味でインフラ周りを知らないと、知識と経験を得ることが難しいのが難点だと思います。ここでは高給取りは、知識量と経験値で左右されますので、ダイレクトに頑張りが反映されるところではあります。
最後に運用系ですが、これがのんびり出来る仕事であるとともに、トラブル時の胃の痛さを天秤にかけること。そして24時間365日というシフトに体を壊す人が多いです。安定している収入ですし、ボーナス支給も多いとは思いますが、自分の体を犠牲にして稼ぐなら、もっと違う仕事がある気もします。これが、一番合う合わないがはっきりすると思います。無理なら、即転職したほうが、体にも負担がなくて済むと思います。
雇用の多重構造は産業を腐敗させるから、企業には直接雇用をお願いしたい
派遣会社の求人を見てると、25歳ぐらいの未経験で18万とか普通に出てるよね。IT業界が人手不足になる理由って、完全に多重構造とピンハネだと思うんですけどね。大体、東京の仕事を大阪の業者が受注して、札幌で仕様策定をした上で、福岡で実際にアプリを組み立てて、デバッグだけ久留米のソフトハウスが請け負うなんてことが現実にありそうなんですよ。企業が派遣を依頼して、その派遣会社が別のエージェントに投げて、そのエージェントがさらにその分野に詳しいエージェントに紹介して、現実に雇用する人と会うということを、実際に経験してしまった以上、この構造は変わるべきだと思っています。IT業界、派遣会社の数が尋常じゃないのは、そういう理由だとわかってから、心底、個人の能力なんて関係ないなと思いましたよ。一時しのぎの派遣雇用より、直接雇用への回帰をする必要は、絶対に出てくると思います。前に業界の先輩に言われたことを、身を持って体験したから、この考えに至ったと思います。
興味や肩書だけでIT業界には入ってはいけない。本当に入るなら、スペシャリストになれ。今回いいたかったことです。
おしまい
by aru32to | 2024-09-27 23:45 | 雑談 | Trackback | Comments(0)


