秋葉原はいつでも退屈な街だったはず。退屈な街じゃだめなの?

今日は珍しい話題。


世界のAKIHABARAは誰の街なのか?

まあ、懐古的記事ではあるんですけど、全盛期の秋葉原は、一体どこを指すべきなのか?という疑問が僕には湧きまして。
この著者が本意なのかどうかはさておき、商業ベースでこの文章を世の中に出すことの恐ろしさを、イチブロガーとして危惧してしまいますね。

秋葉原で働いていた経験のある人間から言うと、退屈な街なのは昔から。だけど、退屈なのが当たり前で、今の観光地化が本来の街としては正しい在り方なんじゃないかと思うんですよね。

秋葉原ってのは、駅前に市場があったり、昭和末期まではギリギリ貨物駅の名残があったりと、まだまだ闇市的な近寄りがたいある種独特な雰囲気があったんですよね。小学生の頃、初めて交通博物館に行ったときの、万世橋あたりのジャンク屋からして、街自体が素人お断り的な空気があったんですよね。どこか退屈で、鬱憤が溜まっている、けどわかる人ならわかるだろうという空気。
とはいえ、今の昌平小のあたりはあまり店もなく、総武線の高架付近に異様なほど電気屋やらゲーム屋やらが乱立していた感じだと記憶しています。今もアニメイトやパセラ、デニーズなどに混じって高級オーディオショップやらが残っていますよね。中央通りも今ほど派手ではなかったですけど、雑居ビルの中にお店と事務所が同居してるような感じでした。

一方で、イケベ楽器やアニメイトのように、昭和通りを超えて浅草橋方面に店を構えていたこともありましたね。今や懐かし現金問屋系のショップなども、賃料の関係からか倉庫兼店舗で営業していました。
あんこう(ナカウラ)ゲーム館とか、ロケットソフトセンターとか、僕ら世代の地方民は割と憧れるお店でしたよ。メガストアとかコンピューターショッパー日本版とか読んでたんで、強烈にイメージがあるという。

人出が異様になったのはやっぱり2005年あたりから、割とそこまでは週末でも平日でも人出は変わらないか、週末のがちょっと多い感じでした。今でこそ路上パフォーマンスはほぼ見なくなりましたけど、2000年ぐらいの秋葉原ならコスプレで歩いても異物感はないし、竹の子族とは言わないものの、昔のニコニコ動画にあった「やってみた」系のパフォーマンスはホコ天でも許される空気がありました。摘発される前のJK風俗的な、非常にアンダーグラウンドで、かつ危うい感じの空気。この時代って渋谷、池袋、歌舞伎町あたりと大差ない空気はありましたからね。
その後、いわゆる恫喝系のヤンキー崩れや、カラーギャングみたいなのが山手線の西側から秋葉原に集まるようになり、カモられ、実質的な被害が出ることで、警察と自治体が動き始め、そのあたりで電車男のブーム、そしてAKB48の流れができて、治安がよくなると同時に取締りが異様に厳しくなったと。この頃から警察に絡まれるという問題も出てきていますね。

2006年頃はもうインバウンドを意識したお店も結構駅前を中心にできたり、UDXができたことで動線が代わりその範囲は拡大、総武線の高架下から妻恋坂あたりまで、もうぎっしりと詰まった感じになっていました。
その頃は家電量販店を除けばPC、あるいはゲーム、そして秋葉原リバティが凄まじい勢力で拡大しきった時代。もうこの頃にはアニメもゲームもピークを迎え、そして大手芸能プロダクション資本のメイドカフェなんかも出来ていたんですよね。

そこからの秋葉原は、もうご存知の通り、大衆化していくわけですけど、あれほどヨドバシを警戒していた秋葉原も、今やすべてを飲み込んで共存してしまっているわけです。昼間から酒を飲める場所も増えたし、一方で昔気質な店は自分が死んだら終わりと決めている人もいたり、本当に時代が流れていることを実感できる街であります。確かに街はキレイになったけど、雑多なんですよね。

退屈な街で退屈なのは誰?

退屈な街であることは変わらないと思いますけど、鬱憤が晴れたように街全体が活性化したことで、違う空気になったのはまず間違いないとは思います。ただ、どうしても不思議に思うのは、「なぜ、排除されたと感じてしまうのか?」ということ。排除という言葉が良くないですよね。強いて言えば、著者が取り残されたと言ったほうが正しいんじゃないかと。
それじゃあ、極端な話、行きにくくなったとは思いますけど、闇市的な時代を知っている先人は、家電の街になったときにそう思ったのだろうか?家電の街からPCの街になって、さらに二次元主流の街になって、そう思ったのか?という、まあ水掛け論にはなっちゃいますよね。

個人的にはAKB48ごく初期あたりの時代はまだギラギラしてたハロヲタだったこともあったし、Piaキャロレストランやアンナミラーズという元祖を知って、実際に客として入った人間だったので、猛烈な拒絶反応を示した時期もありました。毎日仕事で通っていればそう思いましたけど、自然と風景に溶け込んで、そういうものだと思ってしまうと、拒絶する意識もなくなってしまいます。(まあ、ケンタッキーとか浜田電機のあたりは流石にどうなのか?と今も思うけど)
そっちが仮に今のメインストリームだとしても、別に僕は排除されたような感じはなく、興味も湧きません。(が、店員さんのビジュアルレベルが年々本当に高くなってきているのは事実だと思います。)

で、あと僕がラッキーだったのは、転職したおかげで秋葉原が特別な場所に戻ったこと。週末の秋葉原散策が楽しみとして残せたことで、今でも秋葉原にはメシでも食いに行って、ノートPCやらスマホやらを抱えて帰ってくるのですよね。
このblogの読者様にはおわかりかと思いますけど、僕は秋葉原でモノをそんなに買わないんです。年間に落としてる額なんてAmazonのほうが圧倒的に多いし、なんなら、別に行かなくてもいいと思うことはあります。でもなんとなくアレあるかなって漠然とした感じで行って、即決してすごい額落としてくるとか結構やったりしています。(フラグは立てたぞ)
今や秋葉原までたった5キロしかないところで生活していることを考えると、別に会社帰りに行ってもいいし、なんなら仕事で使うケーブルなんかを調達しに仕事中に行ってもいいわけです。それでも特別なんですよね。

自分が好きな秋葉原なのか、自分が秋葉原を好きなのか、そこが大きな誤解を生んでいる気がしてならないのですね。
最初の通り、ノスタルジーなら自分が好きだった秋葉原を延々と愛でていればいい。行く末なんて気にしなくていいんですよ。

秋葉原は先へ行く。馴染めないから退屈なのか?

秋葉原という街は、凝り固まったオタク論なんかいらないんですよね。好きな人は好きにお金を落として、それが経済を回して、街全体が盛り上がれば一番いい。そして、タワーマンションがあるのにもかかわらず、その街の生活というものが隠されているから、秋葉原という不思議な商業地域が出来てしまったんです。未だに専門性は失わない、だからオタクの方々が来なくなるわけでもないんですよ。居場所も立ち振る舞いも秋葉原ではそのへん自由なんです。

住宅地であり、生活の中にサブカルが根付いている中野との大きな違いはそこでしょうね。聖地と言っても極端な話、中野ブロードウェイを中心とした周辺で、むしろ最近では吉祥寺や他の中央線沿線に徐々に追いつかれている感じもあります。おそらくそう遠くない将来、中央線沿線がサブカルの中心から引きずり降ろされ、また別の場所にサブカルの聖地というものができる可能性は大いにあると僕は思っています。でも、生活感があるから街に退屈な空気はないんです。そうやって街は循環するのが普通なんです。

用事はないけど、行って、その場の空気が楽しめるという感じは、大きな公園などに通じるものがあると思うんです。2キロも歩けば上野公園ありますけど、あんな感じの空気が無機質な街に宿っていると考えると、なんとなく飲み込めるんじゃないかと思います。だから退屈な街なんです。興味のない人が博物館や美術館に連れて行かれるのと一緒で、つまらない人には全く響かない。

だからこそ、都心のあんな一等地に、大手家電量販店から、やってるかもわからない個人経営のiPhone修理業者まで受け入れ、風俗まがいなメイドカフェもあれば、青果市場の生き残りとも言える、あだちのような定食屋が並び立つ、世界でも類稀な雑多な商業地域が形成されて、そこにあらゆる人が惹きつけられ、一度は行ってみようと思うようになるのです。
でも、秋葉原に憧れを持って来た人は、その期待を100%裏切られると思いますよ。観光地化しても観光地じゃないですから。
退屈だけど魅力にあふれる街という矛盾を持って成り立っているから、秋葉原であり続けられるんでしょうね。

マニアックな目線で行けば、もうマニアと言う人間は、水域が秋葉原ではないという世界。もっと上の、「お前は開発者か?」というようなプライベーター、ギーグ層は何から何まで自己完結出来てしまうので、昔から秋葉原に出入りしてないと思います。
もし出入りがあるとすれば、チップレベル、コンデンサの容量レベル、ネジのミリレベルぐらいのパーツ集めとかで、自分で確認しながら買うような人が来るレベルでしょう。無論、店員さんもチップレベルでわかるような人たちばかりです。

また、少なくとも二次元の分野においては、量も質も他の追随を許さないでしょうし、その分野のオタク級の人たちが店員さんをしてるのは間違いないとは思います。
量販店やじゃんぱらなんかはしょうがないとして、イオシスもジャングルもツクモもArkもeイヤホンも、みんなその分野の提案型接客ができるし、初心者からマニアまで幅広く対応してくれると僕は思うんですけどね。






真面目にLOVE秋葉原を書いてしまったな。反省しなければ。


ちょっとひねくれているので文章の内容をきちんと解説してみましょうか。

まずでんでんタウンの話。これは本当に行ってみたことがある人ならわかると思うんですけど、アンダーグラウンド的な要素がもともと薄く、もっと趣味の街ではあるんですが、秋葉原よりもっとスクラップ・アンド・ビルドの激しい地域です。むしろ、今は二次元要素のほうが圧倒的に強い地域で、街を上げてコスプレイベントやるぐらいです。二次元色を濃くした中野ブロードウェイに細々と家電やPCを取り扱ってる店が共存している感じです。
露天販売なども警察や商店会の取締りが強化されて以降、まず見なくなりましたし、やはりこちらもインバウンドに力を入れつつあるというのが正しいのではないかなと思います。

グレーゾーンで行くと、海外スマホの販売とか、OEM版OSの単体販売やB-CASカードの販売などは、普通にやってるお店はありますし、杉本ガレージだったり、アパホテル前の露店だったりを知らないのかな?とも思いますね。
また、ラジオデパートなどにある外国人向けのショップなんかに置いてあるダミーSIMとか、そういうのもグレーゾーンじゃないかなと思ったりします。いや、電波法とかアウト側な人間なので、おおっぴらに指摘は出来ないですけど。
薄暗かった店なんて、たいてい老朽化が進んでいたからそんな感じに思えていたわけで、壁紙と店員さんの笑顔で印象が変わるんじゃないですかね。Marshallの隣の店、あそこなんか今でも床がベニヤ板むき出しですよ。

メイドカフェの件、前述の通り、T-Zoneが経営母体だったメイリッシュや、ブロッコリーがゲーマーズカフェ(Piaキャロレストランの常設店化)を運営するなど、もともと大きな資本からスタートした分野でした。大手芸能プロダクションの資本は、結構早い段階から行われ、グラビアアイドルなどが店頭に立ち、接客をするお店なども一時期はありました。今は単独経営などが可能なレベルに達していたり、業界全体の淘汰もあり、フォトスタジオ併設などで多角化経営に入っている企業、さらにはそのノウハウを受け、店員さんが独立開業するパターンなども見受けられます。
これに関しては、著者の思い出レベルの話になりそうですけど、現実としては需要のある産業と認知されたので、高度技術を身に着けていった、今はカテゴリーとして接客業の要素を強めていることで、店員さんのプロ意識も高くなってきているというのが正しいのでしょう。まあ、書いてるニュアンスを読み取ると、たどたどしいのをニヤニヤ眺めるのが好きなんでしょうけどね。

最後にフィギュアの話。これは市場価格がどこに設定されているのか知りませんけど、駅前のエックスや、日本橋でお馴染みのジャングルなどではそんなに高い印象はないですね。おそらくはラジオ会館の入り口で休日によくやってるフィギュアの個人売買?なのかな、あるいは総武線のガード下の空き店舗にあるレンタルボックス、それのことを指して言ってるのかなと思います。レンタルボックスが高いのは売り手が市場価格を無視した勝手な値付けですが、フィギュアに詳しい方なら知っている通り、大量生産出来ない分野なので、プレミア価格が存在することも無視できない要素だと付け加えておきます。
つまり、未開封なら定価が一番安い、という状況も現実的によくあると思ってください。(ヒュッケバインとか、プラメモのアイラとか)

スマホの話って、おおよそ5chとか、まとめサイトとか、あるいは僕みたいな個人レビュアーが誰かしら書いたりして、必ずしも店員さんがそこだけの情報として教えたものではないとも思えます。商売っ気がないのではなく、提案型接客の典型的パターンで、他にもっといい、あるいは売らなきゃいけないスマホがあったのだと僕は思いますね。
大体中古スマホ専門店って...少なくともここ5年ぐらいの話だろうし、そういうお店に行く前にもっと深く調べないのかなと思いますけどね。それを10年来の話で語られても、時系列がおかしくなるだけなんですよね。



まあ、オタクなめんなって話でしたね。ノスタルジーは結構ですが、プレジデント社がこんな記事を載せていいのか?という問題提議はしておきたいと今回は思いました。
裏付けされた記事なら結構ですが、思い込みでキーボードを叩く仕事は僕みたいなお金稼ぎしないブロガーで十分事足りるんです。まさか、こんなところで再びライターの質の低さと、解説を熱く語ってしまうとは、僕もまだまだです。





おしまい

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by aru32to | 2018-09-29 04:34 | 雑談