まあ、その日が来たということなんですよね。
今更なんですけど、暖簾を守ることも大事なんですけど、PC業界において、やっぱり迅速な情報提供ということが、もうエンジニアサンプルでしかできなくなってしまい、本が発売される頃には、情報が陳腐化している。これに尽きる形であり、パワリポの悪かった点として、軽いノリの記事を書くことが出来なかったり、逃げ場を失ってヘッドホン特集なんかをやったりしたことがあって、もうその時期には季刊誌ではありましたが、ラジオライフやネットランナーがやってたような、毒にも薬にもならない記事だったり、あるいは晩年のPC USERなどに見られたカタログ的要素なんかで生き残る術があったのではないかと思ったりします。
AV機器と違って、PC機器というものは、もうずっと進歩するしかないと思っています。だから、雑誌で追いかけず、ネットニュースで追いかけるという手段しかマッチしないというのもわかるんですが、そこに付加価値はなかったのか?とかを思ったりします。
言い方が悪いかも知れませんが、今こういったガジェット的な雑誌は、タイアップのおまけが付いたり、メーカーに忖度したり、本質的な部分を見抜いていないようなライトなものが生き残ってる感じです。アスキーとかもそうですけど、もう、なんでもいいから記事にしちゃえ的な空気が、インプレスには足りなかったのかなと思ってます。真面目でとても真摯なんですよね。だからデータ取りもするし、機材も借りて、真面目に考える。手法は間違っていないけど、時代に取り残されてしまったという感じですかね。
僕のPC雑誌は、PC USER(ソフトバンク)、DOS/Vスペシャル(マイナビ)、コンピューターショッパー日本版(ソフトバンク)と、週刊アスキー(アスキー)で、パワリポって、比較的高度な技術検証などを行っている自作系雑誌のイメージが強く、Win95ぐらいに興味を持ち、自分で買えるようになった2000年頃でも、硬派な雑誌だったと思っています。
この頃は、自分で人柱になることで、雑誌よりも自分のHPにデータを載せてやろうと思って、忍者カウンターを見たら、一晩で3000PVとかあって、驚いた記憶があります。2chでもモーヲタのレビュアーがいるって話題になったりと、あの頃がネットで一喜一憂出来た時代だったなと思ったりしています。
今ではYoutuberがお金のために詳細なデータ取りをするという不思議な状況になっていますが、素人でも発信できるようになったことで、やはりプロの雑誌は何を売りにすべきなのかは、なかなか難しい。特にPCやデジタルガジェットでは、メーカーもバカスカサンプル提供をしちゃうし、それで収益を得てる人がいる以上、商品の本質は見えにくい世の中です。だから、雑誌として、後世にも残るようなデータカタログ的な生き残り方は出来なかったのかなって思ったりします。
おそらく、最終号は手元に買っちゃうんだろうなって思います。どんな内容であれ、それが最後になるんですから、そこは最後まで完走したということを褒め讃える意味で、買って読もうかなと思います。
おしまい