そこまでラインナップを広げる理由がよくわからない。
プレスリリースは各自で見ていただくとして、Qualcommが3/18にSnapdragon 8s Gen3を発表し、さらに3/21にSnapdragon 7+ Gen3を発表しています。
S8sGen3はS8Gen3の廉価版、クロックダウン版という位置づけ。対して、Snapdragon 7+ Gen3はS7シリーズの最新版であり、実質的にS7+Gen2の後継モデルという扱いになってる感じです。今まではS8Gen3とS7+Gen2がラインナップされていた部分に、S8sGen3という下位モデル、S7+Gen3という上位モデルが埋めていくということになります。よくよく調べてみると、S8sGen3(SM8650-AB)はS8Gen3(SM8635)と異なるモデルナンバー、S7+Gen3(SM7675)はベースとして存在しているはずのS7Gen3(SM7550-AB)とモデルナンバーが違います。
わざわざ別のSoCにしている意味がよくわからないんですよね。この前にも書いたと思うんですけど、S8Gen2やS8Gen1がまだ現行モデル。まして、日本では投入されることが今のところないS7Gen2シリーズに至っても、S7+Gen2という上位モデルと、S7sGen2という下位モデルと3つもラインナップされています。日本じゃ在って無いようなものなので、これらも今のところはS7+Gen3をシャープが採用する話しか出てません。そして、多分日本では採用される可能性が極めて低いと思われます。
世界的な需要として取り上げられると、まあ、確かにOPPO(S7+Gen3)とかXiaomi(S8sGen3とかが採用するだけで、世界シェアもかなりのものですけど、この2メーカーもMediaTekのDimensityシリーズの採用も多くなってきたことから、その部分を埋める必要があった感じはします。ただ、ハイエンドのDimensityシリーズってちょいちょいと搭載されることはあるんですけど、圧倒的シェアか?と言われるほどの台数も出ていないと思うので(むしろ、Dimensity700や、モデルナンバーを入れ替えただけとされるDimensity6100のほうが、脅威ですらある)、その点で、謎が残ります。ただ、実際にDimensity8200 Ultraで不満があったか?と言われると、S888とほぼ同等のスペックでありながら、バッテリーの持ちで凌駕しているのも事実なので、極力棲み分けをさせるために、ハイエンドの下位とミドルハイの上位のラインナップを拡充したのかなとも考えられます。
シャープの場合、AQUOS RシリーズはSnapdragonのハイエンドを搭載しているのが通例で、AQUOS ZEROシリーズに搭載という見方もあるんですけど、日本向けに作られるスマホに搭載されるのか、という考え方もあります。国内向けモデルを海外で販売することはあれど、逆は前例がなく、再参入する国などが増えた場合を想定すると、海外専用モデルが登場してもおかしくないです。おかしくないだけで、例えばAQUOS Sense9 Plusみたいなバリエーションが必要になった時に搭載の可能性はあるとも。シャープって時期を外して発表するケースが多いので、読めないところがあります。
じゃあ、日本でS8sGen3の搭載スマホは出ないのか?となると、一例としてXPERIA 5シリーズに棲み分けのために搭載したり、AQUOS R9 Proに対するAQUOS R9に搭載されてもおかしくないよねとも思われます。両メーカーともこれまではスケールメリットを考慮し、SoC1つで賄うことを優先としているので、限りなく可能性は低いけどぐらいでとどめておくといいのかな(外れたら涙目)。
いずれにしても、ラインナップの乱発というのは、ユーザーにとってはわかりにくいですし、そもそもQualcomm自体が、メーカー専用モデル的なSoCも多々作っているので、派生モデルでももうちょい分かりやすくなる方法はないのかなって気はします。そんなことを言ってると、Intelという訳わからん状態のシリーズ名やモデルナンバーを付けているメーカーもあるんだけど。こっちをどうにか出来ないものか。昔みたいに、クロックとかで表記するのはダメなんですかね。Pentium4の3.8GHzとか、すごくシンプルでいいと思うんですけどね。
おしまい